8年もやったんか……

11月某日、一人の女性が自宅で阪神対ロッテの日本シリーズを見ていた。

彼女の名は早川あおい、数週間前まで千葉ロッテマリーンズに所属する選手だった。

―――戦力外を言い渡された時と言うのはやはり悔しかったですか？

「う～ん、確かに悔しかったですけれど、これが実力なので、しょうがないですよね」

早川は苦笑混じりにそう語った。

早川は共学になったばかりの恋恋高校を、出場停止処分を乗り越えて初の甲子園出場に導くなど活躍。

2017年のドラフトでロッテから5巡目に指名され、入団当初から将来のクローザー候補として期待された。

2年目から一軍登板機会を掴み、初勝利を挙げた3年目の2020年に57試合に登板し31ホールド、防御率4.09といった成績で、チームのリーグ優勝に貢献した。


しかし、彼女がプロの世界で輝けたのはこの1年だけだった・・・

その後は度重なる怪我に悩まされ登板数は年々減少、プロ8年目の今年は5試合の登板に終わり、シーズン終了後戦力外通告を言い渡されたのだった。

「正直ここ1、2年は常に戦力外と言うのはボクの頭の片隅にありました。一軍で戦力になれていないというのもあったので・・・」

「だから今回戦力外を言い渡された時も冷静に受け止められました。『まあ、そうだよね』っていう」

早川はこの日、共に戦力外となった成田、原と一緒に自主トレを行った。

「とりあえず今は、出来る限りのことをするだけですね」

ストレッチや筋力トレーニング、投球練習を終えて自宅へと帰った。

今年26歳の早川はまだ独身だ。

「やっぱり他の結婚している方と違って独り身はこういう事になっても気は楽ですよね(笑)」

「でも、どこかで進退の決断はしないといけないとは思いますけれど」

パワプロ選手と熱愛報道出てなかったか？

トライアウトを目前に控えていたこの日、早川は旧友達に激励会を開いてもらっていた。

激励会のメンバーはパワプロ(巨人)、矢部明雄(日本ハム)、阿畑やすし(中日)といった同世代でプロで活躍する面々達だ。

パワプロ「あおいちゃんはここで終わるよう選手じゃないから。大丈夫。きっとどこか獲ってくれるさ」

矢部「ダメだったら引退してオイラの所に嫁いできてm早川「死ねよクソメガネ」

仲間たちに会い、早川は久々に心の底から笑う事が出来た。

彼らの激励を受けてから1週間後、早川はトライアウトを受けるべく西宮へと向かった。



このあと、早川の野球人生を懸けた戦いが始まる。

オリ辺りかな？

ウチに来てくれれば加賀の後継者として役割持てるで

さらっと成田と原を戦力外にするなよ

阿畑って一個上じゃね？（シリーズによるが）

この日、阪神甲子園球場で12球団合同トライアウトが行われた。

ここでは、選手たちの己の運命を懸けた真剣勝負が行われる。

早川の出番が来た。コールされ小走りでマウンドに上がる。スタンドからも声援が飛んだ。

早川は1人目の園部(元オリックス)をフェンス手前のレフトフライに打ち取ると、続く2人目の中村紀(元DeNA)からはシンカーで三振を奪った。

順調にピッチングを続ける早川。しかし、3人目の堂林(元広島)を迎えた時だった、3球目の甘く入ったカーブををセンターバックスクリーンへ運ばれてしまった。

さらっと戦力外の堂林

矢部選手と噂があったそうでやんすね

早川のこの日の成績は3人の打者に対し1つの三振を奪うも1被本塁打。100%のアピールとはならなかった。

トライアウト終了後しばらくして、着替えをすませた早川に話を聞いた。

―――お疲れさまでした。
「お疲れさまでした。とりあえずやれるだけのことはやれました。これが今の実力、あとは結果を待つだけです。」

気丈に語った早川、しかしその目元は赤く腫れていた。

早川は、その日のうちに自宅へと戻った。

トライアウトの結果は、基本的に1週間以内に電話で直接オファーがくるようになっている。

「まだですね、(どこからも連絡は)ないです。」

3日がたち、早川にも大分焦りが見えていた。

早川が焦るのも無理はない、スポーツ紙にはトライアウトで共に戦った選手達の動向が続々と出てきていた。

その中には、自分からホームランを打った堂林が現役を引退するとの記事も出ていた。

「これはもうボクもダメなのかな・・・」

早川はカメラが回っていることも忘れポツリとつぶやいた。

しかし、それから更に2日立ったある日・・・

prrrrrr

「ボクの携帯です・・・」

ピッ

「はい、もしもし。はい・・はい・・・そうです。分かりました。・・・暫く時間をいただけますか？すみません。はい。失礼します。」

ピッ

―――どちらからでした？

「えっと、独立リーグの石川からでした・・・」

電話の相手はBCリーグ・石川ミリオンスターズからだった。内容は選手兼任コーチとしての契約だという。

「とりあえず連絡があったのは嬉しいです。ただ、ボクとしてはやっぱりNPBが最優先だったので・・・ちょっと考えたいですね。」

しかしその後NPBの球団から電話がかかる事は無かった。

数日後、早川は訪ねた我々取材陣に語った。

「決めました。来季は石川で1年間頑張ってみようと思います。」

こうして新天地が決まったかのように見えた。しかしその後、事態は誰もが想像していなかった展開へと進んでいく。

石川への入団を決断してから1週間後、彼女から取材陣の元に電話がかかってきた。

急いで彼女の元に向かうと、彼女から衝撃の事実を伝えられた。

なんと、トライアウトの投球を見たレッドソックス・田澤純一スカウト(39)の目に止まり、マイナー契約のオファーを提示されたというのだ。

「石川さんには申し訳ないと思うんですけれど、ボクはアメリカに行こうと思います。」

彼女はその日のうちに石川に断りの電話を入れマイナー契約を結ぶことを連絡したという。

「アメリカで野球をやる最初で最後のチャンスかも知れないので・・・決めたからには精一杯頑張ります。」

こうして早川あおいは、マイナー契約を結びメジャー昇格を目指すこととなった。

我々も、彼女の健闘を祈りつつ今後の活躍を見守っていきたい。

おわり

所々おかしいけど許してクレメンス

園部と堂林はこんなに長く野球やれるのだろうか…

ただでさえ肉体的に弱い女性を男子野球の中継ぎで使う無能
男でも短命なポジションなのに女使ったらすぐダメになるやろ

成田翔(27)
原嵩(28)
園部聡(30)
中村紀洋(52)
堂林翔太(34)

この物語はフィクションです実在する人物・団体とは一切関係ありません

ほな、また・・・