緑の舞台に、ついに役者がそろった。糸井が守備練習を解禁だ。今キャンプで初めて中堅守備に就き、打球を追った。
「打球捕？　ン～、ノーノーノー。た・ま・ひ・ろ・い（球拾い）！　ヒマやったら球拾え、と。ちょっとイメージできたんで（よかった）」
トレーニングではなく「球拾い」だとしきりに強調。だが、その明るい口ぶりが順調を表す。昼過ぎの投手陣のフリー打撃に合わせ、外野の中心へ。マテオや藤川らが放つ白球をたしかな足取りで追い、飛球は１６球、ゴロは８球つかんだ。
ランニングキャッチあり、背走からのジャンピングキャッチも２度あり。まだスパイクではなくトレーニングシューズだが、ゴールデングラブ賞７度の身のこなしを見せた。
右膝関節炎の影響も「気にはなりますよ。でも痛みはないんで。エエ感じやな、と」と薄れている。
芝生を跳ねる超人に誘われるように、途中からは福留も右翼に入った。金本監督がチームの核とみなし、定位置を確約するただ２人の男が、いよいよそろった。
声をかけ、指示し合うような打球こそ飛んでこなかったが、鋭い打球で右中間を破られると、福留が「捕りに行けよ」というような仕草を送り、糸井は苦笑い。
「感覚をすりあわせられたか？」と報道陣に問われた糸井は、ニヤッと笑い「ないでしょ！　（これくらいでは）どう見ても！　ないけどなんか、イメージは多少できたかな」と喜んだ。
甲子園のオープン戦は３月１２日の巨人戦が最後。右中間、左中間が深い本拠地での“ぶっつけ開幕”とならぬよう「守りますよ、打球捕とか」と同様の練習を３月の甲子園（６試合）でも行う予定だ。
あとは全快を目指すだけ。超人が万全なら、この右中間を抜くのは至難のワザだ。
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