独立リーグの四国アイランドリーグｐｌｕｓ高知を退団した藤川球児投手（３５）の阪神復帰が３０日、濃厚となった。
今年５月末のオファーでは阪神球団の熱意のなさと条件面を理由に断りを入れた藤川だが、尊敬する金本知憲新監督（４７）、総帥・坂井信也オーナー（６７）らが必死のラブコールを送り続けたことで虎入りに大きく前進したという。

　古巣・阪神のオファーを一度は蹴った藤川だが、ここへきて虎に復帰する可能性が日増しに強まっている。
あるフロント幹部は「全力をあげて獲得に動いている。球児がウチでもう一度、と前向きになっていると聞いている。監督が直接、話をしてくれたのが大きかったのではないか」と初めて獲得への手応えを口にした。

“追い風”になったのは藤川と同じ２００５年Ｖ戦士で尊敬する金本新監督が
「野球に対する姿勢、向かっていく姿勢を持っている投手。肩、ヒジが壊れても投げる頼もしいタイプ。そういう思いでまたチャレンジする気持ちがあるのか、確かめてみたい」と事実上のラブコールを送ったこと。
発言だけでなく、実際に新指揮官自ら動いてコンタクトを取ったことで、さらに藤川の心を動かした、とみられる。

　それだけではない。“球児信者”の総帥・坂井オーナーも「他球団に獲られたらいけない。藤川君はウチの宝。戻ってきてもらいたい」と関係者を通じて再アピール。

　藤川側が求めていた複数年契約の条件面等も「当然、見直すことになる。新監督の誕生で本社の方も考えてくれている」（球団関係者）そうで、同じく獲得を目指してきたライバルのヤクルトは撤退を決めている。

　藤川と親しい球界関係者はこう話す。
「もともと、球児が阪神に帰りたかったのは事実。金本監督が“来い！”とやって、これで戻らないといけない大義名分ができた。フロント、和田監督ら体制が大きく変わったことも（阪神復帰に）影響している」

　金本新監督は「（藤川とは）ぼちぼち話をしてます。状態とかもあまり分からないから、球団からいろいろと情報をもらいながら」と明かしたが「阪神には今も愛着はある」と話す藤川が虎に出戻ればまさに百人力。
今も投手陣に影響力を持つだけに一日も早い「決断」が待たれる。

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